一度でもここを訪れた人の印象の第一は、ただただ遠い、の一言に尽きる。最寄のインターチェンジから車でたっぷり四時間、空港からだとさらに三十分余計にかかる。四国一周の計画のなかでも、最もはしょられやすいのが、ここ足摺岬である。


その名も「足摺岬」というタイトルの小説の著者、田宮寅彦でさえ、実際にここに来たのは小説が発表されてからかなりのちのことだという。田宮の想像力に敬意を表するべきなのかも知れないが、万事がこの調子なのだ。とにかく、やたらと、遠い。

今の世の人々が忙しいのは、百も承知。安・近・短という、手軽に行って帰れる旅に人気が集まるのも、その通りだと思う。ひょっとするとこの土地は、そうした考えとは異なる価値観や豊かさを持つ人々の訪れるべき場所なのかも知れない。


     
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