黒潮に乗って眠りこけていた魚が、ここにぶつかって急に眼を覚ましたようだ、とある釣り人が言った。それは比喩に過ぎないが、この地に激突しつづける海流は、岬を中心に逆巻きながら海の宝箱をひっくり返しているようで、実に多種多様な魚介に出会うことができる。

岬を東に回った漁港では、大敷と呼ばれる漁法が盛んで、アジなど目的の魚の他に、マンボウやジンベイザメなどが掛かることでも知られている。半島の付け根には、大阪の海遊館にそれらを供給する基地があり、タイミングが良ければ見物もできる。

もちろん磯は全国有数の釣り場。釣り舟もある。本格的に釣るとなると、素人にはいささか近寄りがたいものを感じるが、食べるとなれば別だ。

獲れたてのアジの刺身や、ウツボのタタキなど、鮮度に恵まれて初めて味わえる味覚が、この地にはある。


     
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