足摺の晴れた夜空は、その水平線までもが星々の領域だ。

澄んだ空気と乏しい地上光のおかげで、漆黒の天蓋を背景に、文字通り無数の光点を認めることができる。月の無い夜には、その天体ショーを味わうため、わざわざ遠くから天体望遠鏡を携えて訪れる人もいる。


そうした人の一人から聞いた話では、夏になり、黄道が天の中央に近づくと、南の空の一角に、南十字星の一部が顔を見せるらしい。もちろん、慣れていない人には、すぐには判別がつかないそうだが、おそらくこの足摺岬あたりが、その北限だろうという。

夜空を横切る航空機の点滅光が、深夜を過ぎても、次から次にやってくる。足摺岬は、国際航空路の重要な通過地、いわば飛行機の交差点なのだ。

国と国とをつなぐ何本もの糸が、地の果て足摺の空を結び目として世界に広がっているのを、この目で確かめられるのも、不思議な感覚だ。


     
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